学生×防災 学生の可能性

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防災ゲーム「HUG」

2015年6月20日、上京区役所総合庁の区民交流会議室で、区役所の防災担当の方、上京区まちづくりアドバイザーの方、上京区社会福祉協議会の方、そして同志社大学の学生、総勢12名が集まり、HUG（ハグ）という防災ゲームを使った研修が行われました。

HUGとは避難所（Hinanzyo）運営（Unei）ゲーム（Game）の略称で、それぞれの頭文字をとったものです。英語で「抱きしめる」という意味で、避難者を優しく受け入れる避難所のイメージと重ね合わせて名付けられました。このゲームは、避難所として一般的に指定されることが多い学校内の体育館や教室に見立てた平面図に避難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、どれだけ適切に配置できるか、またカードに書かれている避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験するゲームです。

今回は6人1組2グループに分かれて、1人が読み手、残り5人がプレーヤーとなりました。読み手が250枚全てのカードを制限時間内に読み上げるため、瞬時にプレーヤーは避難者や支援物資を適切な場所に配置する必要があります。
仮設トイレはどこに配置する？ペットはどうする？高齢者の方は足が悪いから一階でいいかな？病気の人はどうしよう？次々と降りかかる課題に迷う暇もなく本当にこれでいいのかと思いながらも、カードを配置していきました。

ゲーム終了後、それぞれのグループのテーブルを見比べてみると、カードの配置は全く違うものとなっていました。例えば、体育館の使い方では、一方のグループでは足の悪い高齢者を出入り口付近に配置するなど、避難者の属性を考慮しながら来た順に配置しており、もう一方のグループは予め近所の人が固まって避難できるように町ごとに配置していました。どちらも間違いではありません。両方とも避難者に配慮した対応と言えます。このようにこのゲームでは正解はありません。いかにその状況において最善の対応ができるかが大切になります。
大災害がいつ起こってもおかしくない今、近隣が互いに助け合って地域を守り（共助）、避難所を運営することになるでしょう。もし運営する側になった時に迅速かつ適切に対応するためにも、やはり日々の訓練は欠かせません。今後も上京区役所では、防災に関係する取組などに“HUG”を取り入れていくそうなので、ぜひ一度体験してみてください。

学生×防災力

同志社FASTは、京都府が2014年度より大学生消防防災サークル支援事業「京都学生FAST（Fire and Safety Team）」が開始されたことを機に、同年8月に発足しました。現在「FAST」は府内9つの大学で活動をしています。

私は1回生の頃よりFASTに所属し、これまで学内や様々な地域で防災に関する活動を行ってきました。またこのFASTがきっかけとなり、気がつけば上京区の消防団にも所属するに至りました。
一般の大学生と比べれば私は「防災意識の高い学生」と言えるかもしれません。しかし、仮に私一人の防災意識が上がっても、地域全体の防災力が上がったとは言えません。
ではどうすれば京都の防災力を向上させることができるのか。その答えこそ「学生」だと私は考えています。
「学生のまち」と呼ばれるほど多くの学生がいるこの京都で、一人でも多くの学生が防災意識を持つことができたのなら、それだけで京都の防災力は今よりもっと強化されると私は信じています。
私達は“学内での防災啓発”“地域貢献”“他大学FASTとの連携”の３つを活動目的に掲げ、これまで学内で学生に向けて救命講習を開催したり、地域の防災訓練はもちろん、子供向けのイベントでヒーローショー形式で子供達に防災の知識を教えるなど、活動の幅は多岐に亘ります。“より身近に防災を”をスローガンに、我々は今後も同志社大学、そして上京区で活動していきます。

また、私達、同志社FASTの活動理念の一つとして『同志社人の防災意識を「0→1」へ、「1→∞」へ』というものを掲げています。この理念では、同志社大学に通う学生を我々から啓発することで、０だった防災意識を１に芽生えさせ、それがやがて成長が止まない木々のように、同志社大学の防災力を高めていくということを目的としています。この理念を同志社大学に留まらず、京都中の大学に広めていけるような活動を今後はより積極的に行っていきたいと思っています。