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上京区140周年記念事業オープニング式典「伝統文化でつなぐ」

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平成31年3月14日で、上京区は140周年を迎えることから、1月から12月にかけて記念事業が開催されています。その第一弾として、平成31年1月4日、オープニング式典が金剛能楽堂にて開催されました。


▲会場の金剛能楽堂

文化庁の京都移転を控え、その意義と上京の歴史文化を再認識するとともに、伝統文化の一つである能楽に親しむことで、上京の新たなはじまりを会場にいらっしゃるみなさんとともにお祝いました。


▲受付風景

会場にはお着物姿の方も多く、受付には長い列が。
私も会場に入り着席。


▲司会は地域の学生さん

最初に聞こえてきた若く澄んだアナウンスの声がとても印象的でした。
それは、鴨沂高校放送部、鴨沂高校放送部のOGの方の声で、この素晴らしい式典の司会をされることを知りました。大人だけのものではなく、地域の学生さんも関わっておられる様子につながりを感じました。

主催者挨拶、祝辞、鏡開きに続きが行われました。



▲主催者や来賓者のご挨拶と鏡開き

記念講演として「上京の文化~文化庁の京都移転にあたって」について、近藤誠一氏((公財)京都市芸術文化協会理事長)のお話しをお聞きし、金剛流能楽師の種田道一氏のご指導で、来場者全員で「高砂」を謡いました。
「高砂」の曲の意味、背景なども楽しくわかりやすく教えていただき、会場はとても良い雰囲気に。

最後は、舞囃子の「高砂」を金剛流二十六世宗家金剛永謹氏のシテで拝見し、その迫力に感銘を受け、140周年のオープニングにふさわしいひとときとなりました。



▲基調講演、来場者全委員で謡った高砂、そして舞囃子

■式典、講演から学んだこと(特に基調講演に焦点をあてて)

ご挨拶や祝辞から、文部省がまだない時代に「子どもを育てよう」と、住民が声をあげ学区、上京区、下京区ができたことを知りました。上京区は市内で最も古い区で、1879(明治12)年に郡区町村編成法に基づき誕生しました。それから10年後に京都市ができました。
何気なく京都には長い歴史があるといいますが、京都市より先にできていたことは驚きでした。

市長は、「上京、西陣は京都の宝、日本の宝である、上京がモデルとなりやっていき、日本に上京区があってよかったと思えるように互いの力を集結しましょう。」と祝辞でおっしゃっていました。

上京区は、文化、歴史が脈々と受け継がれてきた地域、それは人の力でつながっている、未来に向けて取り組んできた先人の力そのひとつひとつが今をつくりあげています。

この会場にいらっしゃるみなさんがその架け橋になるのだと思いました。

そして、基調講演の元文化庁長官の近藤誠一氏の文化庁の京都移転に関しての講演では、「文化庁の京都移転をどうとらえるか」というタイトルで短時間の中に大事なお話が凝縮されており、必死でメモをとりました。


▲基調講演の風景

まず、文化庁京都移転について、そして、その京都移転を人類の歴史の流れ、そこにおける日本という大きな視点でとらえたお話をいただきました。
17世紀以来世界をリードしてきた西欧合理主義がほころびを見せる中、日本が、今どうすべきかを紐解いていきます。

「国民が幸せな生活をするために経済がある。しかし時代の流れとともに、確立したと思っていた資本主義が適切に機能せず、格差の拡大などの問題が社会の分裂を招き、社会の秩序、安定がゆらいでいる。ここに個人が及ぼす力はもはやゼロ。では、ここでどうしたらいいのでしょうか?

その答えが「文化」である。」

「政治経済は心豊かに生活を送るための環境づくりのはずだったのに、目的化している。今はそういう時代になっている。本来、政治経済は目的ではなく、文化を支えるために政治経済があるのでなければならない。」

とおっしゃったのです。


▲元文化庁長官の近藤誠一氏

さらに「上京区には、文化、芸術、伝統が底にあり、その上に経済がある。これらが生活の中に浸透している。文化庁の官僚がそれを体験し、それが文化政策に反映されれば京都移転は成功である。できなければAI化が進み、人間はロボット化してしまうばかりだ。人間が人間らしく、感情を大切に、これが「日本が目指す結び」である。

意識をかえよう。そのうえでお金も必要。効率だけがいいのではない。東京一極集中は合理的だが、それがすべてではない。やがて政治、経済だけが大切ではないと気づく。時間はかかる。」と。

上京区がもつ文化芸術が、政治経済すべてのひとの生活の一部になっている、多くの老舗企業にみられるように文化のあるべき地位を維持してきたという潜在力に期待されていることが上京区民としてとても誇らしく感じました。


▲会場風景

私たちは、科学技術の発達で例えば冬も寒くなく過ごせます。
合理的に考えることを覚え、論理的に物事を進めることで医学の発達がありました。
情報革命で、合理主義が進歩しAI化は進みます。
芸術というのは昔は生活の中にとても浸透していたが、合理主義が発達したことで文化芸術がごく一部の領域になってしまったこと、軽視してきたことを反省し、バランスを変えなければなりません。

私たちは効率化だけが唯一の判断基準ではないことを悟り、意識をかえ、未来につないでいかなければなりません。文化庁移転がその契機かもしれません。

私も文化芸術を大切にする一人として、自分のしていることが間違いではないこと、何か答えのようなものを感じた貴重な講演でした。

140周年事業にかかわる1人として100年後に歴史に残る瞬間を、歩んでいきたいと思います。


▲金剛能楽堂のお庭の池

レポーター

岡元麻有

記念すべき140周年記念事業オープニング式典のレポートをさせていただき嬉しいです。町家に暮らし、上京で生活をする一区民として誇りに思います。

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