上京OPEN WEEK2017 上京区民まちづくり活動支援対象事業
      京都西陣× 東京墨田交流事業「ドンツキクエスト&会議」

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2017年(平成29年)11月11日、上京区内で開催された「上京OPEN WEEK2017」のオフィシャルイベントの1つとして、「ドンツキクエスト& 会議」が開催されました。これは、京都の路地中を子どもの遊び場や地域の活動場所として使用方法を考えている「上京クリエイティブネットワーク(上京CN)」が企画した路地のまち歩きイベントです。

1 ドンツキクエスト

ドンツキとは、町中の行き止まりとなっている路地や袋小路の事を指します。
知らない町を歩いて路地の中に迷い込みドンツキに遭遇すれば、道を間違えたと思い心細くなってしまう事がありませんか?
東京墨田区の「ドンツキ協会」さんは、袋小路(どんつき)が数多く存在する墨田区内の向島を拠点に、普段なら不安になる路地中を自ら進んで入り、まち歩きの目線で路地観察や行き止まりを探し、その魅力を発見•発信する活動をされています。その「ドンツキ協会」さんが、東京墨田区から上京区へまち歩きガイドとしてやって来られ、京都西陣と東京墨田の交流事業となりました。

スタート地点は、11月に新しくオープンした路地中にある町家「ANEWAL Gallery 現代美術製作所」。
京都市内といえば、一方通行の狭い道や古い町家が連なる路地裏が混在しているので、ドンツキ協会さんからすれば、聖地と言っても過言ではありません。そんな京都でどのようなドンツキに出会えるのか楽しみです。
それでは、早速ドンツキクエストに同行してみましょう。


路地に入るときには、礼儀正しく「おじゃまします」

多くの人がぞろぞろと歩くので「お静かに」とマナーを守ります。
ここで、ドンツキ協会推奨、ドンツキ巡り心得の条をご紹介

一、地図でアタリをつけるべし
一、ドンツキへは「おじゃまします」の心持ちでのぞむべし
一、住民の方に明るくあいさつすべし
一、写真の撮影や公開は細心の注意を払うべし
一、ドンツキなくとも心晴れやかにあるべし


狭い路地を進むとまっすぐ行き止まりになる「直進型」のドンツキや、一本路地に入ったら周回して別の路地から出て来る「回遊型」のドンツキ、さまざまな種類のドンツキに出会います。このドンツキの型には他にも種類があり、ドンツキ協会のweb ページにも紹介されているので、興味のある方はご覧下さい。


視点を変えると家の前に置かれた花壇や植物、陶器人形など、路地裏らしい暮らしの一部が見えてきます。また、お地蔵さんや神社、そこに住んでいる人達にしか知られていないものの発見が路地の中には潜んでいます。


行き止まりを巡って歩いているので、同じ場所をうろうろしているのがドンツキ巡りならではのまち歩きです。

お昼頃から始めていろんなドンツキを見て回っていると、気が付けば夕方。最終地点の北野天満宮へたどり着くのも時間がかかりました。


今回歩いたドンツキクエストの地図

今回のまち歩きでは、上京区にも多くの路地中やドンツキ(行き止まり)がある事が改めて解りました。普段通勤や目的地に行くまでに使用する道路でも一本道をそれると、その土地の特徴や生活、歴史までも発見できる事に気が付き、行き止まりを不便と感じるのではなく、行き止まりをうまく利用した遠回りする事の楽しさを知るきっかけになりました。

2 ドンツキ会議

後半はまち歩きのスタート地点でもある「ANEWAL Gallery 現代美術製作所」を会場に、ドンツキ協会さんのこれまでの活動紹介と上京CN路地企画の今後の課題でもある京都市にある路地の活用の可能性に関しての話し合い「ドンツキ会議」が行われました。

参加者は、ドンツキクエストに参加された方や、上京区在住者や学生、京都でまち歩きガイドをされている方、東京墨田区のプロジェクトに参加されている方まで、路地やまち歩きに興味のある方総勢20名以上が集まって会議を行いました。

これまで地方で行ってきドンツキクエストと、ナンバーワンになったベストドンツキの紹介。

ドンツキを使用した「ドンツキゴルフ選手権」
行き止まりでしか出来ない事を大人達が、真剣に楽しみます!

過去にはタモリクラブにも出演された事もあり、「ドンツキの歌」を合唱したそうです。
♪ どんつきゴロゴロ ドンツキコ 路地裏迷って さあ大変
ノラ猫出て来て こんにちは その先 行っても 抜けないよー ♪

最後は、参加者みんなでドンツキで何ができるかを思いつく限り書き出しました。
ドンツキで野球、弓道、落書き大会、脱出ゲーム、歌合戦、占い、五右衛門風呂、etc.といったユニークな活用方法がたくさん出されました。出されたアイデアは今後の路地活動に活かされる事になります。

路地には、さまざまな形や種類があり、そこに住む人達の生活があります。昔は子どもだった大人たちも、住んでいた町の中で知らないうちに探検ごっこをはじめたり、道端で鬼ごっこやかくれんぼをはじめたり、ご近所さん家の庭へ勝手に入ったり、隣近所の家や道路など関係なく地域の遊び場として使われていたのではないでしょうか。

今回歩いてみて京都には狭い路地や行き止まりがまだまだ多く存在するとわかりました。行き止まりの路地などは、災害時に避難路が塞がれるなどといった防災上の課題も残っています。しかし、路地中やドンツキも身近にある場所なので、ある事を認識する事から始め、どのように地域の中でおつきあいするのかを考える事も大切なのではないのか感じました。

今後のドンツキ協会さんの活動に興味のある方はwebページやfacebook をご覧ください。
ドンツキ協会HP:https://dontsuki.wordpress.com/
facebook:https://www.facebook.com/dontsuki/
上京OPENWEEK2017: http://www.kamigyo-creative.net/

レポーター

森島善則(NPO法人ANEWAL Gallery理事)

上京区にある町家ギャラリーを拠点に活動しています。
最近は、上京区内の空き物件を探して、「何か面白い事できないかな〜」と考えながら日々過ごしています。

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