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大学生による世界最大級のビジネスコンテストHult Prize(ハルトプライズ)。
~Hult Prize同志社大学結成から学内予選大会まで~

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■Hult Prize(ハルトプライズ)とは

Hult Prize(ハルトプライズ)とは、国際連合(UN)が支援している大学生及び大学院生によるSDGsに主眼をおいた世界最大規模のビジネスコンテストです。社会課題を解決するビジネスモデルのアイデアをコンテスト形式で学生から募集し、事業化の促進と社会起業家の育成を図っています。

2009年に設立され、毎年世界から200万人以上の学生が参加。グローバルな課題を解決する為のアイデアを創出し、アメリカを軸に世界各国で実践されています。

最終的にはグローバルファイナル大会で発表を行い、そこで優勝してアイデアが採用されると、実際にプロジェクトに1億円の資金がつき、アイデアが実現できるものとなります。そのため、「学生のノーベル平和賞」とも称せられています。
日本では昨年度、40以上の大学から1000人以上の学生がHult Prize in Japanに参加し、東京で行われた海外地域予選では300人以上の学生が世界中から参加されたそうです。
同志社大学では、今年初めて運営チームが組織され、各大学のキャンパス内で行われる予選が開催されました。
ハルトプライズに関わる学生さんたちの努力と奮闘をレポートいたします。


取材させていただいた運営部 宮崎瞳さん(左)
キャンパスディレクター落合さん(右)

■大会の流れ

毎年SDGsに関する内容でチャレンジが出され、学生たちがそれに関するビジネスプランを考案し、プレゼンテーションを行います。共通言語は英語。
今年は「Food for good」という2030年までに雇用を創出し、経済を刺激し、サプライチェーンを再構築し1,000万人分の収入を増やすチャレンジです。

学内予選大会は1チーム3から4名(国籍は問いません)の参加者を募集。参加者はアイデアを6分間プレゼン、その後4分間のQ&Aに回答します。もちろん質疑も英語!

大学からの優勝チームは、東京で開催されるRegional Finals(地域予選大会)への出場と、海外で行われるワークショップで6週間のマーケティングトレーニングを受ける機会を得ることができます。その後、勝ち上がった6チームは国連本部で開催される世界大会に出場し、競う機会が与えられます。最終的に優勝したチームはプロジェクトを結実するための100万米ドルの賞金をもらえる…という流れです。

まとめるとこのようになります。

・キャンパス大会

各大学の学内大会
→優勝チームはリージョナル大会・ナショナル大会への出場権を獲得できます

・リージョナル大会

主に各大学代表チームによる大会
→優勝チームはグローバルアクセラレータープログラムへ参加します

・グローバルアクセラレータープログラム

世界中から選び抜かれた参加者が集まり、イギリスで約8週間の集中ビジネスコースがおこなわれます
→グローバルファイナルに向けて各チームプレゼンのアイデアに磨きをかけます

・グローバルファイナル

ファイナリストによる世界大会
→採用されたチームのアイデアは、実現に向けて実際に事業化されます

同志社大学でのキャンパス予選は、2020年12月12日(土)に学内で行われました。
2020年9月頃より準備を進め、5人の運営チームを結成。





コロナ禍で休校やオンライン授業が相次ぐ中、学内のゼミや教授への宣伝を重ね、参加チームを募集してきました。
結果、参加チームは3チーム。
大会を開催するにあたり、ステージルームとビューイングルームに分け、密を回避するなど、コロナ対策を十分に行った上で行われました。




各チームからは、
・アオウキクサを用いた健康食品や飼料を作り、発展途上国への支援を行う
・アプリを使い、学生にコンビニの廃棄食品を配布することでフードロスを減らす
・スーパーでの売り上げのデータを用い、食品廃棄を減らす
というアイデアが出されました。

その中で、具体的かつビジネスとしてより実現可能性が高いものである点、発展途上国の需要に注目していた点、よく調べられていてデータに基づいた分析がされていた点が評価され、ウキクサのアイデアを出したチームが優勝となりました。
大会終了後には学生と審査員との交流会が行われました。そこでは、ピッチや発表されたアイデアへのフィードバックから日常生活の話など、学生と教授、ビジネスパーソンとの貴重な交流の場となりました。


コロナ禍で、イベントの開催などが困難になった中でも、「自身の大学から世界を変える人材を輩出したい」、また「熱い思いを持った学生たちに挑戦の場を提供したい」という思いを持って大会運営活動をしておられる様子に感銘を受けました。

■今後の予定について

同志社大学の場合は、3チームのエントリーでした。エントリーが10チームに満たない場合は、各大学の大会となるリージョナル大会に進む資格があるか審査される、ジェネラルアプリケーション(general application) に申し込む形となります。regional に進む資格があるとみなされれば、regional に進むことができるという流れです。
また、代表の宮崎さんによると、ハルトプライズ同志社運営委員としての今後は、
「On Campus(学内予選)に出場した3チームの中からRegionalsに進めるチームがあれば、3月まで引き続きサポートしたいと考えております。Hult Prizeで勝つために必要な情報収集や、専門家、教授、起業家の方々に協力してもらう体制を整えるなど、私共で出来ることを行って参ります。 来年にHult Prize Doshishaが引き継がれるかは、まだ分かりませんが、今回OnCampusに出場してくれた後輩の中から、来年の運営を担う人材が出てくれれば嬉しく思います。また、来年に備え、私共では今回の記録を引き継げるように残すなど、できる限りのサポートを行って参ります。」

とのことで、運営側としての熱意とあたたかさを感じました。

そして、「目標としていた10チームには残念ながら届きませんでしたが、コロナの影響により挑戦や交流の機会が少なくなっている現状の中で、このような機会を創出することができたことを運営チーム一同大変嬉しく思います。この度は、ご支援、ご協力いただきまして誠にありがとうございます。」
とメッセージをいただきました。

京都では、京都大学、立命館大学、京都外国語大学などでキャンパス大会が開催されているそうです。地域から世界へ発信され、世界を舞台に活躍する優秀でコミュニケーション能力の高い人材が育成されていることに喜びを感じました。

■最後に
Hult prizeが一体どんなものなのか、学生さんたちからそれほど年齢は離れていないと思っていても、百聞は一見に如かず…動画等も参照していただき未来を担う学生さんたちをたたえたいと思います。

■2019年4月末に行われたTokyo Regional Finals:
https://www.youtube.com/watch?v=-Dt4bQq1OpA

■国連でのHult Prize Finals:
https://www.youtube.com/watch?v=KFtrYQStLX0

レポーター

岡元麻有

はじめて結成されたにも関わらず、例年通りに広報ができない年となり、とても大変だったことと思います。レポートで少しでも伝われば嬉しいです。知識と経験を積み、ますます飛躍されることと思います。今後、学生さんの若く柔軟な発想と、上京区の伝統や歴史の中から、新しいビジネスアイデアが生まれることを期待します。

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