同志社大学人力俥友之会〜日本唯一の人力車サークルがつなぐ笑顔と夢〜

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日本で唯一の大学生による人力車サークルがあるのをご存じでしょうか。
その名も「同志社大学人力俥友之会（じんりきしゃとものかい）」。1975年の同志社大学創立記念日を祝う行事「同志社EVE（イブ）」で人力車を初めて曳いたことをきっかけに誕生し、今年50周年を迎えます。今回は、現会長の西嶋夏帆（にしじまかほ）さんと副会長の松岡和佳（まつおかわか）さんに、サークルの魅力と熱い想いを伺いました。

廃部からの奇跡の復活

コロナ禍でイベントが次々と中止になり、2023年春には最後の部員が全員卒業してゼロとなり、サークルは一度廃部になってしまいました。しかし「この伝統を絶やしてはいけない」と、かつてサークルを手伝った一人の学生が立ち上がります。仲間を集め、同志社EVEでの復活を目指して奔走。歴代OBたちの支援も受け、東京に預けられていた人力車を取りに行って、見事2023年秋に活動再開を果たしました。

新たな挑戦と出会い

2024年春、西嶋さんと松岡さんは同志社大学に入学しました。
西嶋さんは新入生歓迎会で生まれて初めて人力車に乗り、見える世界が一変する感動を味わいました。一方、松岡さんは小学生の頃、「寒梅館夏まつり」で人力車に乗った記憶があり、「今度は自分が楽しさを伝えたい」と入部を決意しました。

地域とともに〜人力車が結ぶ絆

同志社大学人力俥友之会は、同志社EVEや学内イベントだけでなく、京都市上京区の「西陣伝統文化祭「千両ヶ辻」」や「千両ヶ辻ひな祭り」など地域のお祭りにも参加しています。地元の方々が「普段見慣れた街が、人力車からだと新鮮に見える」と笑顔を見せる光景が印象的です。
これまでの縁で、三重県伊賀市での「上野天神祭」に参加する他、今年からは奈良県橿原市今井町でも、人力車の車夫を務めてまちおこしに貢献するなど、活動の幅を広げています。

▲和装の似合う西陣伝統文化祭「千両ヶ辻」にて人力車を曳いています

▲上野天神祭の祭礼に参加しています
▲風情ある街並みが残る今井町に人力車が映えます

人力車で旅する〜夢をのせて

サークルの伝統行事の一つに、人力車とともに旅をすることが挙げられます。2024年9月には「ツール・ド城崎」と題して、城崎温泉へ2泊3日の人力車旅を実施。そして、2025年3月にはなんと沖縄への旅に挑戦しました。
人力車を沖縄まで運ぶのに、フェリー会社に問い合わせては断られたり、予算オーバーで諦めそうになりながら、なんとか良心的な値段で人力車を運ぶ会社を見つけることができました。また、手違いがあり、人力車が予定より1日遅れて到着したため、1日で2日分の距離を歩くことにもなるハプニングもありました。1日20〜30キロ歩く中で、パンクや荷物紛失といった、さらなるハプニングに見舞われながらも、地元の方々との交流に励まされ、夢に描いた古宇利大橋（こうりおおはし）を渡ることができた時、西嶋さんは「これ以上ない快晴とエメラルドグリーンの海に、心が震えました」と当時の感動を振り返ります。

伝統をつなぎ、未来へバトンを渡す

西嶋さんは会長就任後、2週間に一度ミーティングを設け、異なる学部から集まる部員同士が集まる機会を持つようになりました。「運営に迷うこともありますが、仲間や地域の方々と一緒にイベントを作り上げることが大きなやりがいです」と語ります。
復活のバトンを受け取った今、次の世代へつなぐため、活動の安定化と魅力発信に力を注いでいます。

一度乗ったら、また乗りたくなる

気候の良い春はもちろん、夏は人力車の幌（屋根）で日差しをよけながら、心地よい風を全身で感じる贅沢な時間が味わえます。同志社EVEでは、美しい紅葉とともに人力車体験も可能です。
一度乗ったらきっと、もう一度乗りたくなる…そんな特別なひとときを、あなたも体験してみませんか。

同志社大学人力俥友之会
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