障害のある人の作品や表現に出会える場「art space co-jin（アート スペース コージン）」

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art space co-jin（アート スペース コージン）は、障害のある人の作品や表現に出会える場として、きょうと障害者文化芸術推進機構（事務局 京都府障害者支援課）により運営されています。ギャラリーとして、絵画、写真、陶芸、インスタレーションなど、様々な作品が展示されているほか、誰もが交流できるイベントやワークショップ、講座なども開催されています。スタッフによって丁寧に企画された個展やグループ展は、３箇月程度で入れ替えられ、入場無料でどなたでも気軽に足を運ぶことができます。また、障害のある方の芸術活動に関する相談をすることもできます。

・共生社会の実現に向けて2016年に誕生

京都府では、「障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らしやすい社会」を目指し、共生社会の実現に取り組んでおり、2015年12月、文化芸術を人と人がつながる手段の一つと捉え、これを媒介に共生社会の実現を目指して活動する「きょうと障害者文化芸術推進機構」を立ち上げました。その機構の活動拠点として2016年1月に誕生したのがart space co-jinです。

・表現や芸術を楽しむ場

art space co-jinは、河原町通に面したガラス張りの開放的な空間です。荒神口にあるアートスペースなので、施設名も「art space co-jin」と名付けられたそうです。展示作品は全て障害のある人が制作したものばかり。展示内容によって、壁画がライブで描かれていくなど、ユニークな構成で組み立てられているのも魅力です。
ここには、福祉関係の方のみならず、通りすがりの方や、京都府立文化芸術会館も近いこともあり、芸術に興味を持った方も訪れます。
取材に訪れた日は、「南山城学園の粘土室」が開催されていました。（7/18-10/1まで）

小さく丸められた粘土が積み上げられていて、様々な表情の顔が描かれていたり、カラフルな魚が泳いでいたりしていて、見学者もじっくりと作品を鑑賞されており、作品や空間を楽しんでおられました。

・関係性を築き上げる時間を大切に

展示内容や企画は、主に4名のスタッフが話し合って決めているそうです。スタッフの中には、自身もアート活動を行っている方もおられるなど、各々のセンスがいかされています。
スタッフの寺岡さんによると「企画を考える際、障害のある方との関係性を築き上げるための時間がとても大事だと感じています。実際に制作の様子を見せてもらったり、話を聞いたりすることで深めていっています。それは展示をご覧になる方も同じだと思うので、例えばドキュメント映像を制作して作家さんご本人の表現を理解してもらいやすいようにする、 などの工夫をしています。」とのこと。
さらに、障害のある人の表現への理解や発見につながるヒントが得られる講座なども企画されています。

「よくわからないもの」に出会った時、どのように向き合い、それを人に伝える形へ落とし込んでいくのかなど、とても興味深い内容の講座も開催され、盛況だったそうです。
※参考）アーカイブ配信　YouTubeで動画を視聴できます。
2022年度co-jin講座vol.3「よくわからないことの楽しみ方 - ぬかつくるとこの実践 - 」
https://youtu.be/V9_6aR9GgSE

・きっかけづくりと関わり方

art space co-jinでの展覧会がきっかけで、NHKのテレビ番組出演や、東京での作品発表などにつながった方もおられます。
「ひとつの可能性として、art space co-jinを活用いただき、羽ばたいていってもらえたらと思います。
たくさんの方に展覧会を見に来ていただければ嬉しいです。」と寺岡さん。

さらに、「co-jinサポーター」という活動を様々な形で支えてくださる方も募集されていて、現在96名の方が登録されているそうです。

障害のある方の文化芸術活動に関心がある、展覧会の監視ボランティアなどの活動に関心がある、アートに関する経験をいかしたい、講座やイベントを通して学びたい・交流したい、そんな想いのある方と共に作り上げていかれているart space co-jin。表現の多様性と可能性を感じる場所でした。