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地域の伝統産業を学ぶ上京の子どもたちの週末は、蚕さんがお泊りに・・・!?

上京区といえば、西陣織のおひざもと。西陣織とは、西陣で生産される先染(さきぞめ)の紋織物です。後から染めるのではなく、先に染められた糸を織りあげて模様をつくっていく、大変手間暇がかかる高級な絹織物です。

関わりが深いこの地域の小学校には、たいてい西陣織の機(はた)があります。

小さい頃から伝統工芸に触れる機会も多い子どもたちですが、織る体験だけなく、蚕から育てる学校もあります。改めて調べると理科の授業の一環で養蚕業が盛んな地域、関東の学校でもあるそうです。

1000mlの牛乳パックで児童ひとりずつ蚕専用のお家を作って、蚕の食事となる桑の葉を与え、お家の中は清潔にしてあげます。3週間ほどの期間ですが、生き物なので毎日のお世話が必要です。ということは、すなわち週末は蚕をお家に連れて帰ってくるのですね。

京都あるあるなのかもしれませんが、移住しての子育てですので、初めての経験にびっくりしました!子どもは蚕に名前もつけてかわいがっていましたが…

幼虫は成熟すると糸をはいて繭を作ります。羽化する前に命を奪わなければ糸をとることができませんので、子どもたちはいのちと向き合うのですね。西陣地域ではその糸を染めて、織って、織物を作っていました。そして保護者にもその成果発表があり、大変感心したのを覚えています。当然子どもたちの記憶にきちんと残っています。