- 2025.11.22
- 上京区民まちづくり活動支援事業
- 子育て
遊んで学んで!子どもが主役の「上京!子のまち大作戦!」
北野商店街に面して「エンゼルハウス」の名で親しまれてきた京都こども文化会館の跡地で、「上京!子のまち大作戦!実行委員会」が、9月20日(土)、「上京!子のまち大作戦!」(以下、「子のまち大作戦!」という。)を開催し、子どもたちが保護者や友達と一緒に訪れる姿がありました。
実行委員会を取りまとめているのは、子ども支援団体「明日も笑顔」の佐々木薫一(ささきしげかず)さん。上京区内で子ども食堂「あすにこ食堂」を運営し、四条大宮ロータリーで「あすにこパーク」という子どもが楽しめるイベントを開催しています。
上京区にある子どもたちの居場所を地域の人たちに知ってもらえるようにとの思いで、今回の「子のまち大作戦!」を開催しました。
開催前の雨予報に、佐々木さんは「どれだけ天気予報とにらめっこしたことか」と苦笑い。当日は雲が空を覆っていましたが、それまでの残暑が厳しい日と比べれば、時折爽やかな風も吹いて、過ごしやすい日となっていました。

起震車で地震に備える
会場には、起震車が停まっていました。京都市に2台しかない起震車は、市内各地の防災訓練で日頃利用されるため、なかなか空きがありません。また、雨天時も利用できないため、この日起震車が会場に来ているのは、かなり貴重な機会。子どもも大人も起震車に乗り、1995年に発生した阪神淡路大震災や、南海トラフ地震が起きる時に予想される揺れを体験しました。体験を通して地震に日頃から備え、落ち着いて行動する大切さを学ぶことができました。

ブースを巡って遊んで学ぶ
「みんな違ってみんないい」をコンセプトに掲げて赤ちゃんから高齢者まで一緒に過ごせる居場所を提供する「はうす結(ゆい)」や、堀川商店街内にある「knocks! Horikawa」を拠点に活動する「子どものよりよい育ちを支える会」など、上京区内で子どもの居場所づくりに取り組む団体がブースを出店していました。
子どもが最新技術に触れて好奇心をそそられるようにとの思いで「テクノロジー」をこのイベント開催のキーワードにしたところ、3Dプリンターの展示や再生可能エネルギーについて学ぶブースが揃いました。そのほか、クワガタやカブトムシを見たり、シャボン玉で遊んだりするブースもあり、子どもたちがはしゃぐ姿が見られました。







おいしく食べて、お腹も心も満たすひと時
就労継続支援B型事業所「akaaka(アカアカ)」で作られるソフトクッキーと、地域の方が提供するパウンドケーキが並んだブースのほか、キッチンカーも出店していました。チャーハン、唐揚げ、ポテトフライ、かき氷やベビーカステラを求めて、来場者は足を運んでいました。





イベントに賑わいをもたらすステージ
上京区内のダンス教室に通う子どもたちや、音楽バンドの「日本畳楽器製造」、鴨沂高校合唱部が歌やダンスで「子のまち大作戦!」を盛り上げました。



高校生と大学生も活躍した「子のまち大作戦!」
「子のまち大作戦!」では、会場のあらゆる場所で高校生と大学生の姿が見られました。鴨沂高校と同志社大学からボランティアが集まり、受付、ステージの音響、上京区のマスコットキャラクター「かみぎゅうくん」の誘導、おもちゃ釣りゲームの運営と多岐にわたってお手伝いをしていました。午後には、互いにすっかり打ち解けていて「色々な人と話せて楽しいです」「知らなかったことを知ることができて面白いです」「また来年もやりたいです」との声が聞かれました。
ブースにも、子どもたちとシャボン玉や静電気、カメラの仕組みについて学べる実験教室を企画する大学生がいました。上京区役所で毎年開催される区民まちづくり会議「上京!MOW」で佐々木さんと出会い、参加することになったそうです。
ジョークを織り交ぜながら語り、司会としてステージを盛り上げていたのも大学生で、ステージの最後を飾ったのも高校生。鴨沂高校の合唱部の皆さんは、最後に「みんなで歌いましょう」とステージを降りて来場者に「パプリカ」の歌詞を配って呼びかけました。ステージ周辺に集まって歌うと、来場者、出店者、運営スタッフが一つになり、会場全体がとても優しい空気に包まれました。
歌い終わって、自然と沸き起こった拍手と「アンコール」の声は、おそらく生徒さんたちにとって予想外の反響だったのでしょう。嬉しさと戸惑いがないまぜになったような表情で相談し、選んだのは、ブルーハーツの「TRAIN-TRAIN」。「あなたが生きている今日は素晴らしく、意味がある」と、大人には懐かしくも、今の時代にも通じる歌を届けてくれました。


子どもが安心して笑顔で過ごせる上京
「子ども向けの支援活動団体の横の連携を作りたい」との思いで、佐々木さんは実行委員会を立ち上げて、今年度の上京区民まちづくり活動支援事業に応募しました。採択されると、会場探しや日程の合う出店者と出会うのは一筋縄ではいかなかった時にも、「必ず実現しよう」と動くための原動力になったそうです。
子どもが喜ぶイベントの開催に向けて多くの関係者とコミュニケーションを取った結果、子どもの支援活動をしている団体のつながりづくりを進めることができました。上京で育つ子どもたちが安心して笑顔で過ごせる場があること、そのような場を作り、支える人がいることを知ってもらえるように、「子のまち大作戦!」を「来年も続けたい」と佐々木さんは力強く語っておられました。
レポーター
まちづくり協働コーディネーター
会場では、以前カミングレポートで取材させていただいた方と会いました。ひと組ならず三組も。再会し、近況を伝え合えたことが嬉しく、みんなどこかでつながっていることを感じました。
ブースを巡ることで知らなかったミニ四駆の世界を知り、地震の備えができているかを振り返る機会になりました。子どもたちが個々の興味に応じて、ブースを離れず夢中になっている姿が印象的でした。