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進化するNPO-その1 新型コロナウイルス流行の影響をバネに活動を進化
NPO法人 京都観光文化を考える会・都草

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NPO法人 京都観光文化を考える会・都草(以下、都草)は、平成16年に開始された京都商工会議所主催の京都・観光文化検定試験(以下、京都検定)で「京都通」と認定された方々をはじめ、京都の歴史・観光・文化を学びたい方で設立したNPO法人である。京都が本当に好きで、自身の興味とスキルを活かして観光や文化の振興等に寄与するために、社寺等の美化活動、社寺や文化施設でのガイド等のボランティア活動、京都の歴史、文化、観光に関する調査・研究・提言、講演会、講座の開催、歴史探訪のまちあるきなどを実施している。


都草のHP TOP画面 http://www.miyakogusa.com/

2020年2月後半から流行拡大し始めた新型コロナウイルスの影響で、大人数で集まらない、直接会わない、マスクをする等、これまでの生活が一変した。そのため、大人数で集まる、直接会うようなイベント、会議、研究会を事業の主流としていた都草も「事業をやらない」、「感染対策をした上で実施」、「やり方を変える」等の決断をせざるを得ないことになった。結論から言うと、都草は活動の「やり方を変えた」上で「進化」を選択した。その内容が非常に興味深かったので、ご紹介したいと思う。都草は現在会員が京都を中心に全国に約400名おり、その平均年齢は70代と比較的高齢者が多い。新型コロナウイルスに感染すると重症化する危険性が高い年齢層である。そのことを念頭に置いて、以下をお読みいただきたい。

<リモート会議の採用>

都草には複数の基幹事業があり、事業ごとに部会制(京都御苑歴史研究会、美化活動部会、歴史探訪会、研究発表会、京都検定対策委員会、広報部会、文化交流会、おでかけ講座、都草わくわく倶楽部、研修会、伏見深草支部、丹波支部、東京倶楽部等)を取っている。2月中旬、各部会は6月の都草通常総会に向けて2020年度の事業内容の検討に入っていた。その中、京都検定対策委員会に所属する関東居住のメンバーが、遠隔地にいても会議に参加したいとオンラインでの定例会議開催を希望した。新型コロナウイスの急拡大の少し前である。その後の感染急拡大に伴い、3月の定例会議でMicrosoft Teamsを利用したオンライン会議を試験導入したところ、会議運営に問題ないことが判った。仕事に使用するなどITに明るいメンバーがおり、設定の仕方、使い方等をほかのメンバーにも伝えたおかげで、京都検定対策委員会メンバー全員がTeamsでの会議に参加できるようになったのだった。
その様子から理事会は同じくTeamsを採用し、美化活動部会はLINEやSkypeを使用して定例の打合せを行うようになった。大人数の会議実施が難しい中、全員がリモートを活用しなくとも、リモート会議とリアルの会議を上手く合わせて実施もしている。これらの動きは、若者であればよくある事と捉えられるかもしれないが、先にも述べた通り会員平均年齢が70代の団体である。その柔軟性、対応の早さに驚きを隠しえない。


『都草だより』第60号令和2年8月5日発行より

<メール会員対象に「都草色とりどり」送信開始>

緊急事態宣言が出された4月からNPO法人通常総会開催の6月までの3か月間、幹部会、理事会は事業の中止・延期以外の対策について、リモート会議を重ねていた。都草の全会員は、定期機関紙等を郵送で受け取る郵便会員とデータで受け取るメール会員の二つに分けられる。まずは出来ることをやってみようという副理事長の発案で、メール会員対象に「都草色とりどり」が5月下旬から送信されることとなった。会員が身の回り、近所等で気付いた面白いこと、勉強してみたことを軽い記事にしてメール会員のみに送る週1回のメールマガジンのような通信である。出された内容に対する会員の反応、感想等も併せて掲載している。思いのほか反響があり、今も継続され、会員交流の助けとなっているようだ。

<オンライン研究発表会の実施>

リモート会議が導入されたころ、研究発表会もオンラインでできないかという議論が始まった。まずはやってみようということで、6月22日開催の研究会は、Zoomの使用とリアル会場の併用で実施された。リアル会場は密を避けるため、会場収容上限の半分以下である19人の参加、Zoomは30人の参加である。
実施してみると課題が出てきた。一つ目は、Zoomの無料アカウントを使用したために40分で接続時間が切れ、二つの発表の間に休憩を挟み、参加者には再度URLに入りなおしてもらう手間がかかった。二つ目は、まだZoomに慣れていない人もおり、操作のサポートが必要でその対応をするため、操作スタッフの確保が必要となった。三つ目に、プロジェクターを使用する際に室内が暗くなるのでZoom画面上で発表者の顔が暗くて見えない点である。
そこで解決策として、一つ目、リアル会場での参加者に対して研究発表を行う様子を無料アカウントのZoomで動画撮影し(Zoomに参加者がいないので無制限の時間使用ができる)、会員対象にYouTubeで期間限定公開することにした。二つ目、発表者の前に顔を照らすライトを設置することで、Zoomでもパワーポイント資料と発表者の顔がはっきりと映る動画の作成を可能とした。さらにパソコンのカメラよりもより画素が高いビデオカメラを撮影で使用するというこだわり具合である。


第110回研究発表会の様子(11月10日開催)HPより

システムバックアップ部門を一手に担われる須田さん
ビデオカメラとPCをつなぐ間にキャプチャーボードを使用している

<ワイヤレスイヤホンガイドシステムでまちあるき>

まち歩きは一般道を使用するため、通常は通行人等の邪魔にならないように集まってガイドの説明を聞く。しかし、密を避けるためにガイドがワイヤレスマイク、参加者はイヤホンを使用してソーシャルディスタンスを確保しても楽しめる仕組みを導入した。無線を使用したシステムで距離も50~100mの範囲で聞くことができる。11月28日、第95回歴史探訪会(南部会)「麒麟に会いに坂本へ」の開催にあたり、下見の段階でワイヤレスマイクもテストして十分に聞こえることを確認しての使用であった。参加者は良く聞こえると好評である。
さらに、12月7日、第31回文化交流会「町中の能を訪ねて」でもワイヤレスマイクは使用された。京都の中心部を通るコースで、 これまでなら大きな声を出しても車等の喧騒で声が聞こえにくいこともあったかもしれない。イヤホンを通して直接声が聞こえるようになり、参加者には説明が聞こえやすいと非常に好評であった。


第31回文化交流会「町中の能を訪ねて」( 12月7日)HPから

小松香織理事長に取材をさせていただいたが、都草の幹部、会員の皆が京都のことが大好きで、学びたい知りたい、伝えたい思いが非常に強い方たちである。だからこそ思いを止めることは出来ず、そのための使える道具は何でも使ってみよう、知恵を絞ってやってみようという気概が非常に感じられた。さらに小松理事長は、大学生と交流することでもっと新しいツールやシステムを取り入れたいと強く考えておられる。都草がまだまだ進化し続けることは間違いない。これからの都草も引き続き注目したい。


小松香織理事長(京都府庁旧本館旧知事室にて)

レポーター

松井朋子(京都市まちづくりアドバイザー)

新型コロナの影響で非常勤講師をつとめる大学では、授業をすべてオンデマンド(YouTube)配信とした。大変な経験をしたからこそ、都草の活動には非常に感銘を受けた。

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