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趣味に打ち込み、「好き」でつながるわくわくワークショップ

上京区民まちづくり活動支援事業として、「わくわくワークショップ」を3年間にわたり実施してこられた西田麻利子さんにお話を伺いました。「ものづくりを通した交流の場は、人生の豊かさにつながるのでは」との思いで始まった活動は、子どもから大人までが「好き」で集う場として展開されています。

活動のはじまり

活動のきっかけは、ご家族が上京区役所で偶然目にした、上京区民まちづくり活動支援事業の活動について紹介するポスターでした。西田さんは、「ものづくりの楽しさを伝える場をつくりたい」「大人が本気で遊ぶ場所があれば」と発想を広げ、拠点となる「レンタルスペースTaTE680」を地域に開き、ワークショップを開催する企画を立て、「わくわくワークショップ」と名付けて申請しました。

幼い頃から手芸が好きだと語る西田麻利子さん
▲幼い頃から手芸が好きだと語る西田麻利子さん

子どもたちの「好き」を育てる

初年度の2023年は、夏・冬・春休みに合わせて子ども向けのものづくりワークショップを実施。ビーズ飾りや万華鏡、絵の具を使ったアートなど、多彩なプログラムを用意しました。

子どもたちは、興味のままに複数のワークショップに挑戦し、「やってみたい」という気持ちを素直に表現します。親子で相談しながら作品を作る姿や、子どもたちが自分の好きな色を用い、作品を好みの形に仕上げる過程を見ながら、子どもたちの「好き」が自然と深まっていく様子が印象的だったと西田さんは振り返ります。

また、ワークショップは保護者同士の交流の場にもなりました。親がつながることで、子どもの関係も広がっていくという、地域ならではのゆるやかなつながりも生まれていました。

活動を通じて感じた、続ける難しさと手応え

広報や参加者募集、安全管理など、ワークショップの運営には多くの苦労もありました。特に冬はインフルエンザの影響を受けやすく、春は参加者が減少するなど、時期による変動も実感した一方で、上京区民まちづくり活動支援事業に採択されたことで地域活動としての信頼性が高まり、参加者が安心して参加できたと感じた他、趣味を通じた交流は孤立防止にも寄与するなど、社会的な意義も感じられたそうです。

子ども向けのものづくりワークショップ
▲子ども向けのものづくりワークショップ

大人が趣味に夢中になる「たての部活動」スタート

活動3年目の2025年は、大人向けの取組にも注力しました。2024年3月に大人向けワークショップを開いた時、楽しそうに趣味に没頭する大人の姿や、その場に自然と交ざる子どもたちの様子を見て、西田さんは新たな可能性を感じたと言います。そこで始まったのが、月1回程度のペースで集まる「たての部活動」。現在は、ジオラマ部、カスタムドール部、手芸・洋裁部、フラワーアレンジメントを楽しむ「五福のゆるっと花部」の4つを中心に活動しています。

「教室」ではなく「部活動」としたのは、ゆるやかにつながり、無理なく続けられる場にしたいという思いからです。参加は自由で、それぞれのペースで関われることが特徴です。「月に一度の場があり、来るのはその人任せ。30代から50代は仕事や家庭で忙しい人が多いので、趣味がプツンと途切れたりすることがないようにしたい」と西田さんは話します。

五福のゆるっと花部で作られたフラワーアレンジメント
▲五福のゆるっと花部で作られたフラワーアレンジメント

仲間と「好き」を共有できる喜び

手芸・洋裁部を訪ねると、人形の服づくりに夢中になる参加者の姿がありました。

「娘に人形の服が欲しいと頼まれて作ったのがきっかけで、すっかりはまってしまいました」と話す参加者は、フリルのついた愛らしい服を縫っていました。「子どもはもう着てくれないけれど、人形には自分の好きな服を着せられる」と笑います。また、「自己流で行き詰まっていたけれど、ここでは分からないことを気軽に聞けるのが良い」と、学びの場としての魅力も語ってくれました。

さらに印象的だったのは、「こんな近くに同じ趣味の人がいたとは思わなかった」という声です。人形という少しニッチな趣味だからこそ、出会えたときの喜びは大きく、話は尽きません。「好き」でつながる仲間との時間は、何よりの楽しみになっています。

衣服、かばん、雑貨などジャンルを問わず作れます
▲衣服、かばん、雑貨などジャンルを問わず作れます
人形の服の生地に合わせて使うアイロンも小さい!
▲人形の服の生地に合わせて使うアイロンも小さい!

部展で広がる交流

一年の活動の締めくくりとして、2月28日(土)と3月1日(日)の両日に開催された「部展」では、先生と部員の作品が一堂に並びました。展示だけでなく体験コーナーも設けられ、来場者がものづくりに触れる機会にもなっていました。

ジオラマやドールハウスなど細やかな作品には、それぞれのこだわりと物語が込められており、制作者同士で語り合う時間も大切なひとときとなっているようで、「見せ合う場があるからこそ頑張れる」という声もあり、創作意欲を高める機会にもなっていました。

部展の様子
▲部展の様子
好きなパーツを選んでオリジナルの人形を作ります
▲好きなパーツを選んでオリジナルの人形を作ります
人形の大きさに合わせた家具、服もたくさん展示されていました
▲人形の大きさに合わせた家具、服もたくさん展示されていました
ジオラマ部のワークショップ。部品一つひとつを丁寧に仕上げていきます
▲ジオラマ部のワークショップ。部品一つひとつを丁寧に仕上げていきます
塗料を塗ると、質感がまるで違って印象が変わります
▲塗料を塗ると、質感がまるで違って印象が変わります
見るほどに引き込まれていくミニチュアの世界
▲見るほどに引き込まれていくミニチュアの世界
部品の多くが手作りで、完成度の高さに驚きます
▲部品の多くが手作りで、完成度の高さに驚きます

これからの展望 「好き」をもっと自由に

子どもにものづくりに触れてもらう体験を続けるほか、今後は、ものづくりだけでなく、音楽や運動などテーマを広げることによって「もっと自由に使える場にしていきたい」と西田さんは話します。「マニアックな趣味を安心して語れる場」にしたいという思いもあります。普段は職場などで話す機会の少ない趣味でも、ここでは思いきり語れる。それを面白がれる仲間がいることが、この場の魅力です。

拠点となるレンタルスペースTaTE680
▲拠点となるレンタルスペースTaTE680

「好き」が地域を豊かにする

「好きなことが分からない人は、子どもの頃に夢中になっていたことを思い出してみてほしい」と西田さん。ものづくりに限らず、どんな興味でも構わないと言います。地域活動もまた、人と人をつなぐきっかけになります。役割として関わる中で、新しい楽しみや出会いが生まれることもあるでしょう。

「わくわくワークショップ」は、「好き」を起点に人がつながる場として育ってきました。上京区には、こうした魅力的な活動と、それを支える人たちがいます。あなたも一歩踏み出して、まちづくりの輪に加わってみませんか。

たての部活動開催場所「レンタルスペースTaTE680」

住所:上京区寺之内竪町680 2F
HP: https://www.spacetate680.com
Instagram: https://www.instagram.com/spacetate680/

レポーター

亀村佳都<br />
まちづくり協働コーディネーター
亀村佳都
まちづくり協働コーディネーター

人形が好きで、手芸が好きで、こだわりのある趣味を持つ人の話を聞くのが好きで、と語る西田さんのお話に引き込まれました。時間が経つのも忘れるほど好きなものに夢中になる時間は至福のひととき。それを分かち合える仲間に出会えたら最高ですね。